祈るように

薬を放り込んで布団に入る。

 

また恋愛がうまくいかず、1週間が経とうとしている。そんなもんか、としか思えない心はあからさまに鈍っている。

疲れもある、心身共に。他人が癒せるものでもないし、他人に求めてカウンターを食らうのも正直もう懲り懲り。

救い、なんて大したものでもないだろう、これは。ただの疲れだ。いつものことだろう。

 

明日は今日より少しでもご機嫌だといい。そのくらいの小さな希望をもって、眠気がくるのを待つ。

暇で病んでしまうくらいなら、忙しくして、帰って寝て、なにか麻痺してしまうような日々がいい。

痛々しい日々なら少しの麻酔が丁度いいだろうと、なんて、キザなことを考えて。

 

久々すぎる更新に文字を打つ指が走る。

眠気に追われて稚拙な文章を叩きだして、明日、夜中のラブレターを見返す気分でこの記事を消すのだろうか。

 

強くなったのか、鈍くなったのか、わからない。これでいいのかもわからない。

ただ、自分が傷つかないならそれでいいという諦めに丸め込まれて、寝る。

悲しいというより

Fxxkという言葉が適切すぎるような、なんてサイテーで、馬鹿げていて、呆れて、笑えてしまう話だ。

 

あの夏の、蒸し暑い日々に、私は天秤にかけられ、結局もう一人に負けた。その人の中で。もう一人が選ばれた。それだけだった。

仕掛けたのはあっち。好意みたいなのをちらつかせて見事に釣り上げて、私は適当にあしらわれて終わっていた。あの人の中では。

 

わかっていた。大していい人でもないってこと、は。なのに止まらなかった気持ちの行きどころは何処にもなく、吐きそうになりながらなんとか涙に変えて押し出して。

努力など、神様もあの人も見てはくれないし、そこに情なんてかけてくれなかった。そして半年経っていた。なんてことだ。くだらない。なんて人。

 

 

男なんてみんな浮気する生き物だ、と。平気な顔して、更には意地の悪い顔をして、笑って、あの人は言った。

きっと私の思う恋愛と、違うものを恋愛としているような、定義が違って会話がちぐはぐになるような、違和感しかない会話から逃げ出したくて、目線を車の外に投げ出した。

面倒だった。全部ぜんぶ。こんな私も。1ミリ残った未練も。湧き上がる悔しさも。

 

彼にとって恋愛は遊びのひとつだ。一人を愛さなくていいのだ。誠実より楽しさ。楽しければいい。それで相手も傷つかないなら、万々歳。

 

私が呪いをかけられるなら、

いつか、嫉妬や独占に囚われるような、手に入れたくて仕方なくてでもなにも見えなくてもがいて、好きで堪らなくて焦がれて泣いてしまうような、そんな恋に落ちてしまう、呪いを、彼にかけたい。

痛いほどに、誰かを愛してしまえばいい。そう心から思う。死ぬほど誰かに囚われて、振り回されたらいいのに。

 

悔しかった。とにかく。最初から。どうにもならない自分の気持ちが、嫌だった。

 

最初から大事にされてないことに気づいてた旨を吐き捨てれば、そっか、頭いいもんね、と返された。

そんなの受け取り方次第だから知らないけれど、私は一番バカだ、と、そう話したときには、もうなにもかもどうでもよくて。

 

人はバカになるから恋愛するんですって、教授が言ってました。

なんて、もう結論もなにもなくただ話した。

 

理屈を覚えた人間という生き物でも、恋愛は本能的であって、理論ではどうにもならないところがおもしろい、と、あの日教授は穏やかに、楽しそうに語っていた。のに。なんてところで言うんだ、趣旨違うし。と、少しげんなりもして。

 

ただ、でも本当にどうしようもない恋だった。

連絡がつかなかった謎の期間が明らかになったって、それはなんの慰めにもならなかった。

ただ私よりあの子が好き。残念でした。

それだけ。

 

隣に座るこの人、は、ただサイテーな人。

なんで好きだったの、なんでこんなに、そればかり頭に響いてうるさかった。

そして、昔も、今も、今後も、大して私を想ってくれることもない。

言質をとったら、もう、この人といる意味なんてない。

今回は本当にレアケース。ただの興味と少しの心配で会っただけ。

私が元気だったら会ってないですか?という言葉に、少し間を置いて、頷くその顔を、本気で叩きたかった。

 

帰ります。と、助手席から相手を追い出した。

どこにもいかず、車で話した2時間は、私に喪失感しか与えてくれなかった。

運転席に体を沈めてただ、呆然とした。

なんだこれ、馬鹿みたい、悔しい。そればかり。

 

なんとか帰りついた後は現実から逃げるように眠った。

目が覚めたら苛立ちと虚無感に追われて参ってしまったけれど。

 

でも長い目で見たら、実らなくていい恋だってことは、とっても明らかで。

いつか記憶から消えることを祈っている。いや、消す。私は、消すんだ。こんなのなんの肥やしにもならない。犬も食わない。

 

 

ああ、なんてバカげた恋!どうしようもなくバカな私!そうやってたくさんバカやって、最後に笑えたらもうそれでいいの!さよならサイテーな恋!

そろそろ

更新しないとなぁ、と思って更新するのは初めてだと思う。

日付は変わって、そういえば、待っていた連絡が来なかったことを思い出す。大したことでもないのだけれど。

 

最近は自粛の動きが目に見えてきている。強いられた空白に予定を詰め込むのはなかなか難しい。

感染者がひとりふたりと増える度に神経はたかぶって攻撃的になってしまうけれど。明日は我が身かもしれないという不安もチクリとくる。

 

ネットの文字もすこし胃もたれがしてくる頃。行き場のない気持ちがただの記号をこんなにも尖らせるのか、批判というものはすごく苦手だ。対象が私でなくても。でも仕方ないこととも思う。皆、快適ではない毎日を過ごしながらもがいているのだから。

 

こうやって心情を少しだけ吐き出して落ち着けている。誰かに話すかのように、ひとりごとのように。

いつものソイラテも気軽には飲めなくなった。次がいつかもわからない。

前向きなことはいつだって書けていないような私が、今更何を書けるのかなんてたかが知れてるのだけれども。

誰かを励ますこともできない私だが、とにかく今は少しでもご機嫌に、自粛する。

気持ちまでは暗くならないといけない訳では無い。

危機感をもって、ストレスはなるべくもたず。

 

 

夜更かしは、1日を満足に過ごせなかった分を取り返そうとしているんだ、と誰かが言っていた。それを思い出しながら夜更かしを少ししている。

 

今まで以上にまとまりのない文章であることを自覚しながら文字を並べる。これを通して伝えたいことは特にないのだろう。ただ吐き出している。

これを機に、物語でも書こうかしら。

誰も知らない誰かが、知らない世界で笑う様を書けたなら、それはそれで、なかなかに楽しそうだ。

 

もうすぐ薬が効く時間。特に期待もしてない明日がくる。でも、少しでも、いろんな人が少しずつ笑える世界であればいいなと思っている。そんな夜。

おやすみなさい。

きっと

何かの切れ間にいて、もうすがるものもなくて。そもそも、そんな気もとうの昔になくしていたようで。

通常に戻っていく感覚をじわじわと感じながら、今までが非日常に近いものだというのを感じていた。

 

恋愛ごっこがしたかったのは私だったのでは、と考える。相手の本気の気持ちが本当に欲しいのか、少し首を傾げるところでもあって。

でも気持ちが欲しいくらい想う人がいたら、それはそれで、私は病んでしまうから。

多分今はこれでいいのかも、しれない。

 

恋愛ごっこでもなんでもいいのだろう。

肝心なのは病まないこと。極力。

 

選択する時点で正解不正解が決まっている世界でもないのだろう。この世というものは。

変化の中で選択は揉まれてどうにでもなってしまう。

多分どれも正解になりえる。半分だけ。

あとの半分は、選択のあと、いかに納得できるかだと思う。

そのときの懸命な自分の判断を、強く信じて、あれは正しかったと、言い張るしかないような、そんな感覚。

 

それは余白みたいなもので。選択の自由はそこから生まれていて。それが救いでもあるのだ。

変化とさまざまな角度という視点において、いくらでも正解は生み出していける。

そもそも、正解がなんの意味をもつのか。そこだって考える余地がある。

 

選択を誤ったかもしれないと、よく不安になる私に、少しずつこうやって、文字から気持ちをすりこんでいく。

 

薬が効いてきた。

ゆっくり休もう。

 

ふと

先日本屋で見かけたレシピ本が欲しくなった今日。

買っておけばよかったという後悔より、明日行こうかなという希望に変わるのはいいことで。

 

勉強を投げ出して一週間。ほとんどの時間を睡眠に費やした。疲れきっていたのだろう。

受験を先延ばしにすることをまだ予備校に伝えていない。面倒だと心から感じている。

熱血の先生はがっかりするだろうか。その後ろでもう一人の先生は気怠そうに手続きを進めるのだろうか。

 

明日から少しだけ問題でも解いてみようかな、なんて思った。まだ少し嫌だけれど。

自分のご機嫌をとりながらゆっくりと進めたらいい。

 

 

事業所で、スケジュール帳に通所出来た日を記録して、週四日行けていたことに少し驚いた。

 

まずは通所を目標に。そう決めて走った二年前。あれもこれもと手を出して息切れしつつ、やっとペースを緩めたと思ったら、余白にまたなにかを詰め込もうとしている。

面談で職員さんに、焦らなくていいと思います、と、力強いトーンで言われ、就職面接も踏み留まった。

 

たぶん、少しは進んでいる。実感は大してないけれど。

病室にひとり、シーツを替えながら、突然のフラッシュバックに顔を歪めていたあの日より、きっと、前に進んでいる。

 

ここまで書いてもまだしっくりこない。

無理やり前を向いているような違和感が胸につかえている。

それでも。たぶん大丈夫。

こうやって私は地道に進んで、嫌な過去はいつかとても遠くに、思い出としてそっとしまわれるのだろう。

 

今日はもう終わりだ。明日また少しだけなにか出来たらいい。そう願って。

無題

無理とわかっていても、どこかで期待していた淡い希望を、「忘れなきゃね」と声に出して押し潰したとき、私は、彼の前で声も出せずにさめざめと泣いていた。

叶わない悲しさももちろんあったけれど、どうしてこんなにも心が痛くて痛くて仕方ないのか、訳もわからなくて。

瞬きを忘れていても涙は次々に押し出されて大きい雨粒みたいにバタバタと手に落ちていった。

少しだけもがいた日々の疲れがどっと押し寄せた。虚しくて仕方なかった。

 

嫌いになれたら、冷めてしまえたらと思って遊んだ昨日。結果気持ちは募るだけだった。

時折見える彼の待受画面は例の彼女との思い出のもの。私を見ていないことなど明らかで、今後も見ないであろうという確信が、じわじわと迫るその悲しさが、一緒に過ごした時間と共に重なっていって。

 

一度認めてしまえばもうあとは転がり落ちるだけだった。無理だ、もう無理なんだと、納得していくのにそんなに時間はかからなかった。ひたすら静かに泣いた。泣きながら必要なことだけ声に出した。

相手の反応などどうでもよかった。ただ今後この人の一番の存在にはなれない、その確信だけもらえたら充分だった。

彼はそのあと例の彼女のことで大混乱していたが、そのことは思い出す価値もない。ここに記す労力もない。

 

ボタボタと涙を落としながら、ああ、私まだこんなに人を好きになれるんだ、すごいな、としん、とした心で思っていた。

元気な証拠かしら、なんて的はずれな結論を出して、涙が止まる頃にはなにかしっくりくるものを感じていた。

 

泣ききった。そう思った。

気だるさとはなにか違う、心地のいい疲労感に満たされて、心は割と簡単に切り替わった。

 

スマホにてゲームのお誘い。ああ、ゲームしたい、なんてすぐに思って。

あんなに離れがたかった彼に、何回も「帰るよ」と声をかけ急かしたのは、もう笑い話だ。

帰る頃には前しか向いていなかった。

 

きっと、余計な連絡先を残したがらない彼だから、私の連絡先はブロックするか、消すかするのだろう。

またとんかつ食べよ、なんて言いあったのは、嫌いではないけどさようなら、の、代わり。

 

帰りついた瞬間サンダルの紐が切れた。もう終わりなんだろうなと、思った。

 

今朝目を覚まして、脱げかけた殻を急いで取り払うかのように変化を求めた。

とにかく新しいものを、と、購買意欲が先走って。日頃から求めていたワンピースを探して買って。

ふらっと寄った本屋で、偶然めくったページの言葉が、あまりに心に響きすぎて、その場からしばらく動けなくなって。

内容には興味がなかった。でもこの言葉をそばにおいておきたくて、お金を出す価値があると思って、本を買った。

 

スタバの店員さんは私の顔を見ると、あ、という顔をした。顔なじみになったその店員さんはパーマをかけてイメージが少し変わっていた。

フードがならぶケースにキッシュが見当たらなくて聞けば、商品が入れ替わる時期らしい。さよならフードという一覧に、キッシュの文字が並んでいた。

「好きだったんですか?」と聞く店員さんに、「すごく好きでした」と返して、笑う。

 

「また新しいものが入って来ますから」

店員さんは微笑んでいた。

私はそこに色んな意味をみつけてひとり、穏やかな気持ちになった。

 

空いた穴は同じ形のものでしか埋まらない。

切羽詰まった彼が吐き出した言葉に、そう、と頷きながら私は、それは絶対違うと確固たる気持ちを持っていた。

その穴より大きくて柔らかくて温かいものが、いつか穴を塞いでいくのを私は知っている。そもそも、穴は自然と小さくなる。自然と癒えるときもある。

ただ、ちゃんと自分と向き合いさえすれば。

 

向き合いたくないという彼に、かける言葉はなかった。彼は彼の人生をいくのだろう。そこに私はいなくて結構だ、と、思う。

 

まだ変化の途中で、それはじめっとした空気が少しずつ涼しさをもって乾き始めるようなすっとした感覚で。勉強という日常に戻りたくなくて、ゆっくりとこれを更新する。

今日は勉強しなくていいか、と思いながらも、きっと時間を持て余して始めてしまうんだろう。

もう少しあとの話にはなるけれど。

 

これからなにをしよう、例の歳上の人はどうなるのだろう。また傷ついて泣いたとしても、きっと、私は何かしら越えていくのだろう。自信がない私の、そこだけを信じて。ぬるめのソイラテを飲む。

私の思う

人間らしさというのは、

理性的でいようとして背伸びして、それでもうまくいかなくて泣いたり悲しんだり憎んだりして、この世がすんごく嫌になるけど、

ほんの少しの幸せに子どもみたいに笑って、

とりあえず明日も生きてみようと思う、そういうことなのかもとなんとなく考える。

 

今日は嫌いなことばかり思い出して

また誰かを大嫌いになって

あの人もあの人も大嫌い、ついでに自分も大嫌いで

そんなことを考えてる顔はきっと誰よりも不細工で

誰よりも不幸そうに見えるんだろうと

わかっていても止まらない思考に、ため息しか出なかった。

 

仲睦まじく笑う恋人たちが目につく

左薬指に光を見つける

その度になにかが溢れそうになるのを、反射的に抑えることが上手になったけれど

うまく消化できずに、それはときどき質量をもったみたいに重く肩にのしかかってきて

夢の中に逃げていたら、それさえも許されなくなった。

 

あ、もしかして、思ってるより疲れてるかも、と思ったのは、スタバで何回目かの大嫌いを思ったとき。イライラが止まらなくて眉間に皺が寄っていた。

 

隣の席で夫婦が笑っていた。

きっといろいろあるんだろうけど、それでもそうやって笑える瞬間があるのは

私にはないもので

素直に羨ましかった。

 

今は、恋人よりも、

ただこういった、日々の、小さく積もっていく塵のような気持ちを、ゆっくり話せる人がほしい。

私の話をただ、聞いて欲しい。それだけ。

 

そんな思いを抱えながら、まずはゆっくりと眠れますようにと、祈りながら、静かに薬を飲む。