あれ、

さっき、頓服薬を飲んだっけ、と思うくらいに、服用する頻度が増えた。当たり前になりかけて、無意識側に落ちかけていたみたいで。

だいたい楽な気持ちになるけれど、今回はなかなかうまくいかない。楽になりたいというより、死なないように飲んでいる。このまま私を放っておいたら、生きようとする本能をゆうにこえて、特に生きる理由がないと言い張る理性が押し寄せてくるから。昨日、本当に消えようと思って、遺品整理をしようと、普段開けない引き出しを開けた。

消えるにもそれなりに礼儀とかそういうのあるかもって思って、変に律儀になった。遺品整理をする体力がないから、とりあえず、体力つけようかなって、思ったところだった。

 

特に大きなきっかけはない。少しずつ虚しくなっていった。誰かの世界の端っこで座って、誰かの世界から穏やかに消えて、それを繰り返して、それでいいと思ったのだけれど。私はひどく欲張りなようで、誰かの世界の真ん中にいようとした。大事に、されたかった。

きっとみんな悪い人じゃない。1時間くらいなら真正面から向き合ってくれる。わかってる。でもそれじゃ足りないって騒ぎ出した私に、私がほとほと、疲れてしまった。

私は誰の1番にもなれない。なりたくないのに、なれない現実を受け止められない。

呼吸さえも少し疲れてくる。モノに近い存在で世界に横たわって、静かに朽ちていきたいけれど。社会はそれを許すような余裕は持ち合わせていない。

 

ありのままでいい、そんな言葉は、普通の体質の人たちに特別に許されたものだし、綺麗な言葉だと思う。

普通の音、光、感触に対応していれば、それでいいんだと思う。

 

私にとってこの世界は、あまりに強烈すぎる。

音も、光も、感触も、圧倒されて、生きるのに精一杯で、呼吸さえも億劫になる。

私が私でいたら、世界はそれなりの秩序と法則を以って私に呼応する。その反応自体が、強烈で、ひどく消耗する。

疲れたよ。

普通の人が普通に生きれる社会に、私は文句もないし、それが多数なら、いいんだ。

私はうまく適応できない。きっと社会の隅で、漏れ出たスポットライトが私の肌を掠める様をじっと見るんだと思う。

多数派が生きていればいい。社会もそうであっていい。それでいいから、だからせめて私を、消して欲しい。