2021-01-01から1年間の記事一覧

少しずつ

鬱屈した思いが薄い氷の層を作るような感覚と、いつ爆発するかわからない時限爆弾を抱えている感覚。緊張が凝り固まって深呼吸だけではびくともしないこの感じ。 いろいろ状況が混み合ってひどい有様、そしてそれをうまく言葉にできないストレス。 私は一体…

悔しいけど

忘れられない人がいる。悪い意味で。 女は感情論という言葉が嫌で、20歳くらいの頃からか、議論に強くなりたいと切実に思って本を読み漁り実際にそう主張する世代や男性と正面きって戦ってきた、ような気がする。 フェミニズムではない。ただ、私自身、女だ…

おばあちゃんが

何故私をこんなにも可愛がったか、と考えたら、おそらく、いつでも私は一番小さかったからだろう。 父方の親戚の中で私は一番下だった。おばあちゃんを囲んだ正月、お盆、誕生日、何気ないお墓参りの後。みんなでテーブルを囲んで、お漬物と畑で採れた果物と…

それは中学生の頃、勉強で順位がつくようになりだして、テストの度に胃が痛む思いをした。 私の価値はそこにしかないと本気で信じていた。 90点以上じゃないと私の価値はないと、学年一位の女の子にぽつりと漏らした。私は二位か三位だった。女の子は、そん…

湧き上がる不安に

酸素の濃度が間に合わなくて、口から大きく息を吸う。 暗闇に浮き上がるスマートフォンの画面。いくら叩いても来ない連絡。そもそも、誰からの連絡も、大して待ってもいなくて。 今日もデパスを口に放り込んで、不安を揉み消しては明日をじっ、と待つ。 大し…

薄い一枚の紙の

定型文の合間に挟まれた気遣い。 前職の人事部から送られてきた書類の添状。定型文が嵌め込まれているだけだと見送りそうになった文字の羅列が、本当はとても意味があると知った時に、私は担当者の名前を確認した。 担当者は少し口の悪い、良く言えばワイル…