人間らしさというのは、
理性的でいようとして背伸びして、それでもうまくいかなくて泣いたり悲しんだり憎んだりして、この世がすんごく嫌になるけど、
ほんの少しの幸せに子どもみたいに笑って、
とりあえず明日も生きてみようと思う、そういうことなのかもとなんとなく考える。
今日は嫌いなことばかり思い出して
また誰かを大嫌いになって
あの人もあの人も大嫌い、ついでに自分も大嫌いで
そんなことを考えてる顔はきっと誰よりも不細工で
誰よりも不幸そうに見えるんだろうと
わかっていても止まらない思考に、ため息しか出なかった。
仲睦まじく笑う恋人たちが目につく
左薬指に光を見つける
その度になにかが溢れそうになるのを、反射的に抑えることが上手になったけれど
うまく消化できずに、それはときどき質量をもったみたいに重く肩にのしかかってきて
夢の中に逃げていたら、それさえも許されなくなった。
あ、もしかして、思ってるより疲れてるかも、と思ったのは、スタバで何回目かの大嫌いを思ったとき。イライラが止まらなくて眉間に皺が寄っていた。
隣の席で夫婦が笑っていた。
きっといろいろあるんだろうけど、それでもそうやって笑える瞬間があるのは
私にはないもので
素直に羨ましかった。
今は、恋人よりも、
ただこういった、日々の、小さく積もっていく塵のような気持ちを、ゆっくり話せる人がほしい。
私の話をただ、聞いて欲しい。それだけ。
そんな思いを抱えながら、まずはゆっくりと眠れますようにと、祈りながら、静かに薬を飲む。