最後に

7時間連続で睡眠がとれた日の、朝の瞬間を、今でも覚えている。

入院していた日のどこか、ぽつんと針で穴を空けたような1日だけ。きっかけもなにもかもわからず、ただ目を開けて、時計を見たときに、もう朝だった。それだけ。

一度目の入院か、二度目か、忘れた。

看護師さんの、よく寝てたね、の声が嬉しかった。

 

基本、睡眠はとれても3時間。だと思う。途中から時間を数えるのはやめた。気を病む種にしかならなかったから。

寝付きはバラバラ。朝のアラームはここ数年鳴らしていない。

まだ寝ていたいという気持ちになったことはあっただろうか、最近。ここ、数年、なのか。アラームを気休めにかけても、それより早く目が覚める。だいたい、午前5時。

薬も気まぐれ。効くときもあれば全く効かないときもある。同じ量なのに。

 

眠れないわけではない。ただ、連続で眠れない。浅い睡眠を繰り返す。

まだマシになったほうだと思う。2時間おきに目が覚めて、朝4時には冴えてしまっていた時期よりは、よっぽどいい。

 

質のいい睡眠とやらを目指して何年試行錯誤しているかわからない。

結局辿り着いた答えは、どうにもならないときは、なにをしてもどうにもならない、それだけ。

この症状は改善するより、適応するほうが楽で。正直もう当たり前で。みんなそうなんじゃないかと思うくらいで。

でも同時に、誰かの寝顔を見る度に、ひどく羨ましく思っている自分がいて。

 

昨晩の、一瞬の眠気を取り逃して、一睡もしていないはずの頭はこれ以上なく冴え、

激しく打ち付けた手のひらが痺れて、苛立ちが止まらず吐き出したあとの喉は痛くて。

悔しさで泣き腫らした瞼は少し痛む。

 

悔しさと虚しさと、正論とか理想とかにうんざりした気持ちと、あとはなんだろう。

よくわからない。