物足りなさを感じながらも、それらをぐっとこらえて眠りに就く夜。
ゆったりとしたジャズを暗闇に溶かして今日を振り返れば、慌ただしく過ぎる毎日に、疲弊しきった体がはっきりとした悲鳴をあげていて。
何か、は、している。とりあえず。
それは英会話だったり、体のメンテナンスだったり。ちょっとひといきついてカフェに行ったり。
ただ、なんとなくなにか足りないような。なにかを取り損ねているそんな感覚が、底の方にこびりついて取れない、そんな気持ち悪さがつきまとう。
かき集めた充実というものを、抱えきれずにすべてこぼしてしまわないように。ひとつずつ丁寧に並べて、取り扱わないと。きっとだめになる。
少しずつ重くなる瞼と、なにかを懸命に欲しがり愚図る小さな私に、今日は終わりね、と声をかけて。
物足りなさが明日の活力になればいい。
そうできると信じて眠る。