こんな私が

隣にいてごめん、と、思っていた。

 

もう別れた彼との話。特別なにか言われていたわけでもないのに、自分がひどく醜く思えた頃。街中を一緒に歩くたびに思った。こんなのが彼女だと思われる、そのことが彼にとって一番の不幸であると。

 

今もそう思っている。ただ、隣に誰もいないから、私は誰も不幸にすることはないというおかしな安心感と、みじめな気持ちだけが残った。

歩く姿だけでも醜いと思う。惨めで、みっともないと思う。のしのしと歩く姿が、どうしようもなくいやで。

 

きっと、ずっと抱えて生きるんだと思う。

特に不幸だとは思わない。

変わることを諦めた代償、それだけ。

もう誰も可哀想と思いたくない、これ以上惨めに思うのも疲れてしまったから。

しばらくはひとりで。願わくばずっと。